容姿・経歴・その他メモ
イトアヴェール・フィオラ・ブラウドゼッヘル [Itoya]
<大切な約束をしたことがある><破産したことがある><命を助けられたことがある>
【冒険に出た理由:予言によって】
ランドール地方にある遺跡の中、隠れて暮らすレプラカーンの一家。そこでイトアは生まれる。
その暮らしは比較的安定しており、他所との交流こそなかったが不満もなく、平穏そのものであった。
しかしそんな遺跡に蛮族が襲来。一家は遺跡の防衛機構を使い奮闘するも、イトア一人を残して全滅。
彼女もまたその後を追う所であったが、駆けつけた人族の一団に救われ、その団の主であった貴族へ引き取られた。
暮らしぶりは大きく変わる。戦乱の続くランドール地方でその貴族は戦う役割を持った家であり、内情は安定とは程遠いものだった。
戦果を挙げて凱旋する事もあれば大敗を喫して逃げ出す事もある。豪華な宴が続く日々もあれば飢えに苦しむ日々もある。
幼いイトアは抗えぬ運命の流れというのはあるのだと感じ、どこか達観した子に育つ。
そんな中でも年月は経ち、しかして戦乱が収まる事もなく。その頃もイトアを引き取った貴族、ブラウドゼッヘルの一族は追い詰められていた。
保有する戦士団は敗北し、防衛の要であった砦も陥落。よもやこれまでと逃げ出す算段をつけていた所、一人の魔術師が流れ着く。
彼の放った魔術は隕石の群れを呼び、ブラウドゼッヘルを襲う蛮族たちへと降り注ぎ。彼らを瞬く間に壊滅させた。
窮地を救われたブラウドゼッヘルの当主は彼に感謝し、今後も留まって欲しいと頼み込む。
魔術師は初めは難色を示したが、当主の義娘として挨拶に来たイトアを見て、考えを変えたように条件を付けた。
「彼女を、本来私が行くべきであった場所へ送り出すのなら、私はここへ残りましょう」
彼は語る。自分は流浪の身なれど、星々の声に従って行動している事。それによってこの地を訪れ、この地を守った事。
そしてその声は次なる目的地を告げているが、そこへ行くのは魔術師自身ではなく、イトアでも良いのだと言う。
魔術の才も学もなく、特別な力量もなく。当然星々の声など聞いたこともないイトアも当主もこの話に困惑するが、熟考の末、受け入れる。
こうして生まれ故郷を遠く離れた地、グランゼールへ向かう事になったイトア。この地へ戻る事はもう無いかもしれないと、その覚悟を持って。
その判断を、姉妹として育った当主の娘から非難されるが、最終的には和解して送り出される。
「あなたは人生を諦めている節があるけれど、その考えを改めて、きちんと自分が幸せになる道も考えるように!」
……と、そんな事を約束させられはしたが。
結局グランゼールで何を成せば良いのか、魔術師は具体的に語る事は無かった。
「様々な声を聴き、己の考えに当て嵌めれば、自ずと答えは見えるでしょう」
そう言われ、考えた結果、ひとまず冒険者を志すことを決める。
依頼という声が多く舞い込む、様々な人の集う場所。生活の為でもあるが、そこに集う者たちの仲間となる事が最良と感じたのだ。
こうした彼女の判断が、この先何を生む事になるのか。それはまだ、誰にも分らない事だった。
一人称「私」。薄緑の髪に金の瞳。基本的にフードを目深に被り、あまり姿を晒さない。
静かに黙していることが多く口調も穏やか。しかし態度は割と堂々としており、厚かましい面もある。